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『この世界の片隅に』こうの史代(双葉社)








『この世界の片隅に』(上中下)こうの史代(こうの・ふみよ)(双葉社)A5判


上巻
2008年2月12日初版発行
144頁

中巻
2008年8月11日初版発行
138頁

下巻
2009年4月28日初版発行
155頁


先の大戦下の広島を舞台に、主人公・浦野すずを中心に銃後の人々の生活を描いた漫画。

すずの幼少期を描いた3編の読み切り短編作品と本編(昭和18年12月~21年1月)とで構成されている。

広島市で生まれ育ったすずだが、すぐに呉市の家に嫁ぐので舞台はほぼ呉市である。
絵をかくのが好きな、ぼんやりとした性格の主人公の生活がほのぼのとした雰囲気で、ギャグ漫画の風味で描かれる。
月日が経て物資が日に日に不足し、生活の労苦が増していっても基本それは変わらない。

しかし、戦争末期に近づけば近づくほど生活は過酷になり、戦災に見まわれ、ほのぼのとした生活の雰囲気は失われてゆく。
それを豊かな表現で描いている。

完全に大人向けの漫画である。それもある程度以上教養のある。
手紙や貼り紙等々の当時の生活で目にする文字は、旧字旧かなで書かれている。
また、ある程度は歴史の前提知識がないと、本作品をしっかりと鑑賞することはできない。

加えて、作品は伏線や前の話の描写との連関などが緻密に組まれているのだが、さりげなく巧妙に描写しているので、注意して読まないとそれと気が付かない部分がけっこうある。

幼少期を描いた3編は読み切りだが、本編とも巧みに絡められていてすばらしい。

ただ、分からない所があっても気にすることはない。いつか分かるかもしれないし、わかる部分だけでも価値ある体験となるだろう。

本作品は、昭和18年から21年の話で、平成18年から21年にかけて年数が平行する形で『漫画アクション』に連載されたという。
著者は、あとがきに「正直、描き終えられるとは思いませんでした。(略)すべては奇蹟であると思います。」と記している。

おすすめの良書。

なお本書のほかに前編・後編で全2巻(新装版2011、B6判)のものもある。画面が小さいのでおすすめしない。3巻になってしまうが、本書をすすめる。(それから新装版は、絶版なので新品では買えない)


BUFFさんのツイートより引用

(引用のツイートに全3巻の方が新装版だとあるが、それは勘違い。上記のように本書が旧版。映画化の際に旧版が増刷されたので、そう勘違いしている人がけっこういる)

[参考]
『夕凪の街 桜の国』こうの史代(双葉社)

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