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『英霊の聲 オリジナル版』三島由紀夫(河出文庫)

『英霊の聲 オリジナル版』(英霊の声)三島由紀夫(河出文庫)

2005年10月20日初版発行
268頁





目次(収録作品)

英霊の聲
憂国
十日の菊
二・二六事件と私

解説 「英霊の聲」の声(藤田三男)


本書は、二篇の小説と一篇の戯曲を「二・二六事件三部作」として一書にしたもの。

「英霊の聲」は、二・二六事件で処刑された青年将校らと神風特攻で戦死した者らが霊として降り、天皇の「人間宣言」を批判するという筋の作品。作品中の霊の合唱「……今、四海必ずしも波穏やかならねど、日の本のやまとの国は~」の「詩」は現今の我が国のありようの批判としても通じる傾聴に値するものである。

「憂国」は、ある青年将校の自刃を、性と誠と生と死の融合の美として描いた作品。

「十日の菊」は、戯曲。二・二六事件で襲撃に遭ったが生き延びた元大臣の物語。どのように生き延びたのかをミステリー的に描き、今も分かりやすく楽しめる作品。(後半、若干分かりにくい部分があるが)

「二・二六事件と私」は、本書の元本刊行時の書き下ろしで、本書収録の自作について著者が解説した文章。

なかなかおすすめの本。

一点気になったのは、明らかな難読漢字にルビが振られていないこと。文庫版なのだし、読者の間口を広めるためにこの点は配慮すべきである。

それぞれの作品は、Wikipediaで調べると完全にネタバレになるので気になる人は注意。
ただ、二・二六事件の簡単な概要だけは本書を読むうえで知っておいた方がよい。

二・二六事件

昭和11年(1936)2月26日早朝、武力による国内改革を企図した皇道派青年将校らが起こした事件。首相官邸・警視庁などを襲い、内大臣斎藤実・大蔵大臣高橋是清・教育総監渡辺錠太郎を殺害、侍従長鈴木貫太郎に重傷を負わせ、陸軍省・参謀本部・国会・首相官邸などを含む永田町一帯を占拠した。翌日戒厳令が公布され、鎮圧された。将校の大半は死刑。事件後、統制派軍部の政治発言力は著しく強化し、軍部独裁に進んだ。

出典:精選版 日本国語大辞典

なお、『英霊の聲』(1990・河出文庫)があるが、本書とは収録内容が異なる。これと区別すために本書は「オリジナル版」としているのだろう。1900年刊の内容は以下。

235頁

英霊の聲
F104
朱雀家の滅亡
「道義的革命」の論理―磯部一等主計の遺稿について
「二・二六事件と私」(抄)
「朱雀家の滅亡」後記
解説 死の「神学」(富岡幸一郎)


[関連]
『英霊の聲』三島由紀夫(1966・河出書房新社)単行本
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