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『祖父東條英機「一切語るなかれ」増補改訂版』東條由布子(文春文庫)

『祖父東條英機「一切語るなかれ」増補改訂版』東條由布子(文春文庫)

2000年3月10日初版発行
313頁





著者は、東條英機の孫。本名は、岩浪淑枝。岩浪由布子の名義もある。

孫から見た東條英機の人物像を知りたいと思い本書を手に取るであろう。しかし、著者が幼少のうちに祖父英機は刑死していて、直接の体験談はない。

説明の順序がうまくなかったり、話が前後したりしていてわかりにくい部分がある。一書としては、あまりまとまっていない。
だが、祖父英機や祖母の手紙、句、和歌、遺書などが豊富に収められていて興味深く、価値ある本である。

単行本のタイトルは『一切語るなかれ―東条英機一族の戦後』で、こちらの方が内容を反映した書名でよい。

祖母ふたりや母についてはそれぞれ章を設けて記しているのに、父・兄については記述が少ない。

父・英隆は、東條家の長男が社にいるのはよくないと辞職させられる。六人の家族を抱えて失業した彼は牛乳配達や、小麦粉を農家から仕入れてパン工場に持って行き、出来たパンを小売店に売る仕事で自転車で走り回る生活を送る。(p.83~)

「父はついに社会的に恵まれぬまま(略)五十五歳の若さで死んだ。」(p.221)

兄・英勝は、東條英機の孫だからと小学校の時に、教師らから担任になるのを拒否され、仕方なく登校すると国旗掲揚台に上がったり、ポールに登ったりして教室を覗いて過ごしていた。(p.80)

東條英機の長男がそんな生活をしていたとか、孫が担任になるのを拒否されるほど忌まれていたとかは、思いもよらなかった。
彼らについてもっと知りたかった。

一読の価値ある本である。

[関連]
『一切語るなかれ―東条英機一族の戦後』岩浪由布子(1992・読売新聞社)単行本
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『祖父東条英機「一切語るなかれ」』岩浪由布子(1995・文春文庫)
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