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『征野千里』谷口勝(呉PASS出版)

『征野千里』谷口勝(呉PASS復刻選書3)

ソフトカバー・A5版

2014年8月15日初版発行
160頁




底本は『征野千里―一兵士の手記』(1938・新潮社)。本書は、新字新かなに改められている。
新聞記者が著者からの聞き書きを手記の形式にまとめたもの。

著者は、谷口勝上等兵。底本の本は、戦前は広く読まれたものらしいが、戦後GHQにより没収図書となったので現代ではあまり知られていない。

兵士の日々を知ることができるよい体験記である。大げさな表現や比喩、脚色がない文章が好い。

ところで、この呉PASS出版の復刊本は何も注記していないが、底本を全部収録していない。筆者は底本を確認していないが、下記の動画で省略されている部分を紹介しているので、それが分かる。
本書を復刊したことはすばらしいが、これはいけない。(省略されているのは重要かつ興味深い部分である。これでは、とても「復刻選書」「完全復刻版」(公式サイトの情報)などと言えるものではない)

よくみると本書で「・・・」となっている部分があるが、そこが省略されているようだ。(その他の部分にも省略はあるかもしれない)
メモしておく。

p.13、p.26、p.32、p.39(2ヶ所)、p.42、p.53、p.54(2ヶ所)、p.55(2ヶ所)、p.56、p.66?、p.76、p.80、p.83、p.84、p.88、p.91、p.92、p.95、p.97、p.98、p.99、p.100、p.103、p.104(3ヶ所)、p.109、p.110、p.112(2ヶ所)、p.113、p.118、p.130、p.132、p.133(2ヶ所)、p.134、p.135(2ヶ所)、p.136、p.137(3ヶ所)、p.147?、p.148?、p.156、

それから、本書は表紙および収められた写真の印刷の質がかなり悪い。
また、初版は誤植が散見された。改訂版があるようなのでそちらを薦める。(ただ、そちらも省略があるだろうが)

本書のような記録は研究資料としても重要なものなので、新書や電子書籍等で内容を完全復刻したものを刊行してほしい。

※底本を確認したので追記する。
以下、復刻版での省略。()内は底本のページ。底本は「旧字旧かな」だが新字新かなに改める。
(見逃しがあるかもしれない)

復刻版p.12の後、「動員下令から出征まで」の節、3ページ。(p.7~p.10)
復刻版p.13の・・・の箇所。(p.11~p.12)
 「サイダー一本を手にして~」の一文(p.14)
復刻版p.26の・・・の箇所。
 「流れを渡ると泥のなかに高粱が~」から6行(p.26~)
復刻版p.32の・・・の箇所。
 「分捕った野菜は自分の分だけはしっかりと腕の中に持っていた。」の一文。(p.26~)
復刻版p.39の・・・の箇所。
 「誰かが豚を一匹ひっ捕えて来た。すると、石原上等兵が得意の腕を揮い出した。~」からの3行。(p.40)
 「「では、戦闘帽に名香を焚くといった意気でやるかな。~」からの4行。(p.41)
復刻版p.42の・・・の箇所。
 「「センション、ハオデイ、クーニャン」~」からの7行。(p.45)
復刻版p.46。「……私達の前へ還って来た。」の後。
 「冷たい風に誘われて~」からの6行。(p.50)
復刻版p.49。「……作ったばかりのところです』」の後。
 「ワラジから平和な農村の匂いが~」からの4行。(p.52)
復刻版p.49。「……そっくりこれに積み込まれた。」の後。
 「白河の濁水は猫の~」からの3行。(p.53)
復刻版p.51。出だしから約2ページ。(p.55-p.57)
 p.57「……せっせと書いて止めようとはしなかった。」まで。
復刻版p.52。「……知ったことはない。」の後。
 「艦船隊は或時は~」からの9行。(p.58-p.59)
復刻版p.53の・・・の箇所。
 「髭も剃って、顔も洗って~」からの約10行。(p.60)
復刻版p.54の・・・の箇所。
 「私たちはキャラメルを~」からの約8行。(p.61)
 「弾は頭上をピューンと越え~」からの9行。(p.62)
復刻版p.55の・・・の箇所。
 「声がかかって百五十米程~」からの7行。(p.62)
 「私が中隊へ伝令に~」からの5行。(p.64)
復刻版p.56の・・・の箇所。
 「すぐ前進だ。~」からの16行。(p.65-p.66)
復刻版p.60。「小林伍長の元気な声が聞えた。」の後。1ページと約5行。(p.71-p.72)
復刻版p.62。「今村上等兵は戦死していた。」の後。
 「橋は燃え、曳光弾は飛びつづける――」の一文。
復刻版p.62。「ブスブスと燃えくすぶっている。」の後。2ページと3行。(p.74-p.76)
復刻版p.66。「機関銃は唸りつづけている。」の後。4ページ。(p.81-p.84)
復刻版p.69。「喰いもせずただ泣いた。」の後。「敵弾を浴びて炊く飯盒」の節、8ページ。(p.88-p.95)
続く約1ページ。(p.96)
復刻版p.71。「抜けないのだった。」の後。11行。(p.98-p.99)
復刻版p.76の・・・の箇所。
約4ページ分。(p.103-p.107)
復刻版p.80。「放り出してある。」の後。3行。(p.112)
復刻版p.80。「小さな部落があった。」の後。
「部落には若い女や老人たちが沢山いて、不審気な顔をして私たちを眺めていた。」の一文。(p.112)
復刻版p.80の・・・の箇所。約8行。(p.112-p.113)
復刻版p.80。「突撃できなかった。」の後。約3ページ。(p.114-p.116)
復刻版p.83の・・・の箇所。8行。(p.119)
復刻版p.80。「漬物なぞいかが・・・」の後。15行。(p.120-p.121)
復刻版p.84の・・・の箇所。1ページ。(p.123)
復刻版p.84の・・・の箇所。(二箇所目)約12ページ。(p.124-136)
p.136,l.10「燃える骸を乗り越える。」まで。
復刻版p.88の・・・の箇所。約7行。(p.139-136)
復刻版p.88。「晴れてはいたが寒かった。」の後。約2ページ半。(p.140-142)
p.142「取りかえてやった。」まで。
復刻版p.91の・・・の箇所。約1ページ。(p.145)
復刻版p.92。「山頂に登った。」の後。3行と2ページ。(p.146-p.148)
復刻版p.92の・・・の箇所。約1ページ半。(p.150-p.151)
p.151「襲いつづけた。」まで。
復刻版p.93の末。5行。(p.152)
復刻版p.92の・・・の箇所。「私たち〇隊の一部が~」の一文。(p.154)
復刻版p.97の・・・の箇所。p.156の2行、続いてp.157-p.158とp.159の2行。
復刻版p.97。「見つけて来いッ」の後。4行。(p.160)
復刻版p.98の・・・の箇所。約1ページ。(p.161)
復刻版p.99。「引っ込んだりした。」の後。約3行。(p.162)
復刻版p.99・・・の箇所。「江岸に集まって~」約5行。(p.163)
復刻版p.100・・・の箇所。「頭が鉄兜鵜のように~」から約7行。(p.165)
復刻版p.100。「用を手伝わせた。」の後。1行と1ページ。(p.165-p.166)
復刻版p.103・・・の箇所。「毎日々々雪が降っていた。」から4行。(p.170)
復刻版p.104・・・の箇所。「なぜかフト、軽い吐息が出た。」の一文。(p.170)
復刻版p.104・・・の箇所。(二箇所目)「「李!」」からの11行。(p.170-p.171)
復刻版p.104・・・の箇所。(三箇所目)「後へねじまげた。」の後。約6行。(p.172)
復刻版p.105の末。「吹雪の中へ叫んだ。」の後、約6行。(p.174)
復刻版p.107。「動こうとしなかった。」の後。約10行。(p.176-p.177)
復刻版p.109・・・の箇所。「星が空一杯に~」の一文。(p.179)
復刻版p.110・・・の箇所。「幾分たったかわからない。」から17行。(p.180-p.181)
復刻版p.110の末。9行。(p.182)
復刻版p.111・・・の箇所。「さきの討伐の~」から約4行。(p.183)
復刻版p.112・・・の箇所。「「これ串焼きにするか」」から5行。(p.184)
復刻版p.112・・・の箇所。(二箇所目)2行、続いて約3ページ半。(p.184-p.188)
「大童だった」まで。(p.188)
復刻版p.112・・・の箇所。「午後三時、」から約11行。(p.191-p.192)
復刻版p.116の出だし。「ここでしばらく警備をして再び蕪湖へ帰ると、」が省略。
復刻版p.116。「といってきた。」の後。約15行。(p.195-p.196)
復刻版p.118。「ポロポロでてくる――」の後。「出発準備に~」の一文。(p.199)
復刻版p.118・・・の箇所。約6行。(p.199)
復刻版p.121の後。3ページ半。(p.203-p.206)
復刻版p.127の末。「「見てみい、~」からの7行。(p.213)
復刻版p.129の出だし。1ページ。(p.214)
復刻版p.130・・・の箇所。約3行。(p.217)
復刻版p.132・・・の箇所。約2行と1ページ。(p.219-p.220)
復刻版p.133・・・の箇所。3行。(p.221)
復刻版p.133・・・の箇所。(二箇所目)約7行。(p.221-p.222)
復刻版p.134の出だし。7ページ。(p.223-p.229)
復刻版p.134・・・の箇所。約6行。(p.230)
復刻版p.135・・・の箇所。約2行。(p.232)
復刻版p.135・・・の箇所。(二箇所目)約8行。(p.232-p.233)
復刻版p.136・・・の箇所。2行。(p.234)
復刻版p.137・・・の箇所。約2ページ。(p.235-p.236)
復刻版p.137・・・の箇所。(二箇所目)約2行。(p.237)
復刻版p.137・・・の箇所。(三箇所目)約9行と2ページ。(p.238-p.240)
復刻版p.139の末。「二百度の炎熱~」から約2ページ。(p.242-p.243)
復刻版p.146の出だし。6行。(p.253)
復刻版p.154・・・の箇所。3行。(p.262)
復刻版p.155。「競技のように思われた。」の後。約1ページと10行。(p.264-p.265)
復刻版p.155。「首を下げた。」の後。約8行。(p.266)
復刻版p.156・・・の箇所。約5行。(p.267)
復刻版p.156・・・の箇所。(二箇所目)4行と7行。(p.267-p.268)

名もなき兵士が書いた、日中戦争手記の傑作。今と変わらぬ日本人が、清涼感あふれる筆致で日中戦争を鮮やかに描く。評論家西尾幹二氏もGHQ焚書図書で取り上げ、絶賛した、あの名著が復刻。

アマゾン商品説明より


[参考]
GHQ焚書図書開封 第2回[YouTube]


新しい復刻版が刊行された。新字か旧字か不明。ページ数から見て、ひどい前の復刻版のような省略はなくなっているようだが、「全文」かどうかは不明。
元本は、生き生きとした描写で臨場感があり、感動的な場面もよい、おすすめの良書。もしこの復刻版が「完全復刻」なら、強く推すが。

A5版・263頁。

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